熊本地震は、警固断層の地震を誘発するか?
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天気・地震・防災
熊本地震は、まだ余震が続いておりますが、熊本の隣の県、福岡には、警固断層が走っています。この断層で地震は起きないのか?
九州で一番大きな都市である福岡の方は、そう思っている人も多いのではないでしょうか。
この点について、いろいろと調べてみることにしました。
警固断層とは、どこを走っているのか?
地震といえば、断層があるところで、発生するということは、みなさんが考えるようになっていることです。さて、では、福岡に走っている警固断層とは、一体どこに走っているのでしょうか?
次の地図を見てください。
実は、平成17年の福岡西方沖地震で、揺れたのも、警固断層です。
しかし、このときは、警固断層の北西部半分が震源でした。
不幸中の幸いと言ってよいのか、地震は、海洋部だけで起き、あとの半分の南東部の内陸部は、震源にはほとんどなっていなかったそうです。
しかし、この警固断層帯の南東部には、まだ、地震を起こすエネルギーが溜まったままだといいます。
そして、警固断層帯の南東部は、なんと福岡市の中心部を走っているのです。
これが揺れると実は大変なことになるのではないでしょうか?
警固断層の南東部(内陸部)が震源になったとき、地震の規模は?
「福岡市揺れやすさマップ」によれば、警固断層帯南東部を震源とする地震の場合、想定される地震の規模は、マグニチュード7.2。
断層に近い市内の中止部では、震度6強以上。
その周辺の市街地の広範囲が震度6弱
となるそうです。
この地震規模、偶然なのか、今回の熊本地震とほぼ同じ程度の地震規模です。
今回の断層との位置関係から、誘発の可能性は?
そもそも、熊本地震が起こる前での地震発生確率は?
まず、今回の熊本地震が、起きる前の時点で、警固断層帯南東部を震源とする地震が起こる確率は、今後30年以内で、0.3~6%と言われていました。数字で言われても今一つ、ピンと来なかった私ですが、
この発生確率は、「我が国の主な活断層の中では、高いグループに属する」そうで、事の重大さを感じることができました。
そしてさらに、平成17年3月に発生した福岡西方沖地震の影響により、「警固断層帯南東部の活動を促進する」可能性もあると言われているそうです。
ということは、発生確率はまだ上がっているのかもしれません。
今回の熊本地震。発生確率は何パーセントだったのか?
ところで、この地震発生確率というものは、どれほどあてになるのでしょうか?今回の熊本地震。発生確率は何パーセントと見積もられていたのでしょうか?
政府の地震調査研究推進本部では、活断層が起こす地震の確率を評価しています。
実は、2013年に、発表されているデータでは、
布田側断層を含む「九州中部」で30年以内にマグニチュード6.8以上の地震が起こる確率を、18~27%と見積もっていたそうです。
これは、九州のどこの地域よりも高い数字だったそうです。
ちょっと調べていたら、2014年の地震調査研究推進本部が出している地震評価マップがでてきましたので、九州の部分を拡大して、みました。
2014年の地震予測地図では、確かに、熊本の一部で、発生確率が、26%以上の濃い赤になっていました。
政府の研究推進本部の評価する発生確率は、信用性は結構高いと思いました。
熊本地震の断層と警固断層の位置関係は?
熊本地震では、熊本県西部の日奈久(ひなぐ)断層帯に続いて、北側にある布田川(ふたがわ)断層帯の両方が同時にそして、余震も含め、数百回にわたり、地震を発生させています。この日奈久断層と布田川断層は、警固断層からは離れています。
しかし、今回の地震で、福岡でも震度5~4程度の強い地震も発生しました。
この地震の影響を警固断層が受けていないということは、言えないでしょう。
警固断層帯の地震発生確率も、上がっていると考えておくのが無難なのではないかと私は思います。
地震はだれにも予想ができない。次は自分も?
地震の予測は、現時点では、不確定要素が多く、長期スパンでの、漠然とした確率でしか、評価できません。明日起こるかなんてことは、結局のところ誰にもわかりません。
しかし、だからといって、備えを怠らないようにしなければなりません。
先ほどの、地震予測地図の全国版を見て下さい。
これをパッと見れば、九州は比較的地震の可能性が低い場所だと思うのではないでしょうか。
しかし、よくよく見ると、熊本に発生確率が高い地域があったわけです。
そして、その熊本で今回震災が起こりました。
しかし、この地震予測地図を見れば、熊本と同じように、26パーセント以上の発生確率を有する地域は、たくさんあります。なんと、日本の太平洋側は、真っ赤です。
つまり、熊本で地震が起きたのであれば、ほかの地域も、同じように地震が起きることも十分考えらるのではないでしょうか。
また、もっとも赤が濃い地域地域は、100年に一回以上の確率で震度6弱の地震が起きる地域ですが、この予測地図には、これ以上に発生確率が高い地域示す凡例は用意されていません。
ですから、この赤の濃い地域の中には、もっと高い確率の可能性がある地域もあると思っておいていいのではないでしょうか。
今回の地震を教訓に、今回、被害を受けなかった私も、地震への備えをしておくことが大切だと改めて認識しました。
地震への備えが必要だと思った方、早めの備えを!
地震への備えについては、以前書いた、下記の記事もご参考ください。
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